「全東大生に告ぐ 21世紀が求める人材 〜先頭に立つ勇気〜」
小宮山氏はまず、我々が生きる現代は人類史の転換期と言っても過言ではなく、これまで日 本がどのように発展してきたのかを説明した上で、21世紀をどのように生きていくかのビジョンを示していきたいと述べられました。
現代では少子化が進む一方で文明・技術の発展に伴い平均寿命は伸びて長寿化も進行してお り、これからは活力ある長寿社会を作っていくことが必要である。しかし、同時に自動車・住 居をはじめとした人工物は飽和状態になる。そのような飽和状態の中でどのようなときにモノ が売れるのかを考えなくてはならない。従来と同じ「ものづくり」を中心とした産業構造では 後進国の成長スピードに負けてしまう。このような現況を述べられた上で、小宮山氏は日本が 高度成長期の公害を乗り越えたことなどをはじめ、多くの課題を克服してきた経験を生かして 先進国として対抗していくべきだと述べられました。
小宮山氏はこれからの社会のあり方として、エコロジーと資源の自給を満たし、老若男女が 参加し刺激し合える、精神的にも物質的にも満たされた社会である「プラチナ社会」を提案さ れました。しかし、現実にはこれらの社会を築きあげていくのは現役学生の世代の働きが重要 になってくるのは間違いなく、小宮山氏はそのようなビジョンを持って行動してほしいと訴え ていらっしゃいました。
講演は時折笑いも起こるなど終始楽しい雰囲気で進められ、学生から積極的に質問が出される など、充実したものとなりました。