ポップな社会貢献ってなんぞや?渋谷で遊びまくった野地さんが社会課題を解決するに至った経緯とはいかに!?


 

今回はLITALICOにお勤めなさっている野地さんにお話を伺ってきました!

そんな野地さんも学生時代は渋谷で遊んでばかりいた?野地さんの過去から今に至るまでの経緯を丸裸にしていきます!!

野地さん写真

野地翔(のち しょう)さん

経歴:2006年東京大学文科2類入学
2010年経済学部卒業
2010年株式会社LITALICO入社

株式会社LITALICOホームページ:http://litalico.co.jp/

 

野地さんが働かれている「LITALICO」はどのようなことをする会社なのですか?

 

 僕は株式会社LITALICO(以下「リタリコ」)に新卒で入って、今8年目が終わろうとしています。日本語で利他的な精神の「利他」と利己的な方の「利己」とあわせて「リタリコ」という社名になっているのですが、関わる人たちの幸せを作っていくことが自分たちの幸せだし、自分たち自身も幸せだからこそ他の人も幸せにできるよね、っていう意味が込められています。

 

 僕らは「世界を変え、社員を幸せに」という理念を大切にしていて、社名のリタリコって言う所にも紐付いてくるんですけど、世界をよりよく変革していくことを通じて僕ら自身も幸せになっていきたいし、僕らが幸せだからこそ大きいチャレンジができるよねということです。

 

 ビジョンは「障害のない社会をつくる」ことです。

ここでの障害と言うのは生きづらさとか社会の偏見とかをイメージしてもらいたいです。僕らはよく、「障害は人ではなく社会の側にある」と言っています。例えば、僕は眼鏡をかけていますが、社会に眼鏡がなかったらめちゃくちゃ生きづらいし、しんどい。てことは、僕は眼鏡の存在があって生きづらさが解消されている。これって僕が変わったわけではなくて社会が変わったから障害がなくなったということなんですね。

社会において様々な生きづらさを抱えている人がいると思うんですけど、それはその人たちに課題があるのではなくて、社会のほうに課題があるのであって、それらを僕らが解決していけば、障害のない世界をつくれるんじゃないかって。

 具体的にはうつ病、統合失調症など精神疾患のある方が働くことを支援する事業や、発達障害と言われるような、コミュニケーションや勉強が苦手な子どもたちのための教室を展開したり、プログラミングを通じて子どもの興味関心や創造性をもっともっと伸ばしていこうと言うような教育の場所を設けたり。今はネットの事業にも力を入れていて、いろんな施設を検索できたり困り事がある親同士が繋がれるサイトや、自分らしい子育てを通じてより多くの家族の幸せを増やそうとするメディアだったり、後はいろんなアプリを作って楽しく学べたりとか困り事を解決するみたいなことをしている。これも基本的に何かお金とか技術とかって儲かることに使われたりとかするよねっていう中で、やっぱり技術が進歩してせっかく新しいことができるようになったんだったら解決できてなかった社会課題を解決することに使っていきたいという気持ちでやっています。

 そういう感じでうちの会社は2005年にできて、この10年ちょっとくらいでリアルな事業とネットの事業は結構たくさん作ってきました。これからもいろんな事業をたくさんして障害のない社会をつくっていきたいなと思っています。

 

−「障害のない世界をつくる」という会社のビジョンの中で、具体的に野地さん自身はどのようなお仕事をなさっているのでしょうか?

 

 僕自身は割と新規事業に携わることが多くて、教育の事業の立ち上げなどをしてました。その後は経営企画というところで上場の仕事とかもやりましたし、2016年に上場してから1年半位は新卒採用の責任者をやっていました。会社の中ではかなりいろんなことをやらせてもらっているなという感じです。今の仕事はライフプランニング事業といって資金面も含めた家族計画などのプラン策定のお手伝いする事業をやってます。例えば働くっていうことひとつとってみてもいろんな選択肢があったりするわけで、それ単体で完結するというよりはその進路を選んだ後での人生を見据えた選択をしなければなりません。例えば、発達特性によってどうしても苦手なことがある方が、特段配慮のない職場で我慢し続けて働くことで、ストレスによって心が摩耗し、ある種二次的にうつ病になったりそこから働けない期間が長期化してしまうこともあります。その方が安定して長く働けるための選択肢や制度を知っていたら違った選択もあったかもしれません。そういった情報提供をすることも私たちの役割の一つです。

 

−どのようなきっかけで今の会社を選んだのでしょうか?

 

 障がい者支援と聞いて、最初は漠然と社会的意義のあることだなぁくらいで強い興味があったわけではなかったんです。

 前提として自分の学生時代は基本的に堕落した生活を送っていました。それこそ飲み会ばかりで、大学もあまりいかず出席ある科目を極力避けていたぐらい。駒塲より渋谷にいる方が多かったとすら思っています。そんな性格だからこそ自分を勉強する環境に置かなきゃ勉強しないと思ったんで、自分のお金を投資するなら世の中のニュースとかを見たりするようになったりするかなぁと思って株式投資サークルに入ってまして、それは唯一続けていました。

 学生時代はちゃらんぽらんな生活をしていて、就活とかも正直めんどくさいなぁって思って3年生の夏にみんながサマーインターンに行っているときもアメリカの実家で過ごしてました。戻ってくるとすっかり周りが就活モードに切り替わっていて、さすがにもう就活かと、髪染めてスーツ買ってやっと就活を始めたんですよ。東大に来たのも、目的意識というよりは偏差値が高いから選択肢も広がると思ったからなので、同じ感じで就活も難易度が高いところに行けばその先の選択が広がっていくんじゃないかと思って、いわゆる外資系の銀行やコンサルなど選考が早くて難易度が高いということを友達に教えてもらったんで、そのまま受けてみたら、内定もらったりできて。でもとあるコンサルの創業者にベンチャー企業も合ってると思うよって言われて、その人がすごい好きで人生経験もある方だったので、その人が言うならと思って、友達にオススメされたベンチャー企業の集まるイベントに行った時にうちの会社に出会ったんですよ。ベンチャー企業の人はおしなべてこういうことやりたいっていう気持ちが強かったり、スピード感もあって。これからの社会どうなっていくんだろうかよくわからないから、激流の中でも自分で決めて進んでいく力が必要だと思っていたし、そういう意思決定の機会が多いベンチャー企業の方が自分の求める成長にはあっていると思いました。

 リタリコでは当時リタリコワークスって事業しかなかったんですけど、リタリコワークスを通じて就職された方とお話しする機会があって、そこでわかったのは長らく働いていない方たちが「自分は社会から必要とされていない、そんな自分たちを生活させるために国の税金も使われてて、自分がいなくても良いのではないか」というような気持ちになってしまって、すごい後ろ向きな状態で。でも、そういうふうに思ってる方達が働けるようになると、「自分も誰かのためになれるんだ、社会の中での存在意義があるんだ」という気持ちが湧くんですね。明日を諦めてた人に欲望や希望が出てくる姿を見て、「めちゃくちゃこの人たちの人生180度変わってるじゃん」と思ったんです。働くって誰かから必要とされるってことだし、誰かから必要とされることってすごく嬉しいことですよね。

他の企業と迷ったんですけど、僕にとってどっちが価値あるかと思った時に、こっちだったんですね。コンサルとかイケイケのベンチャー系は同級生も結構行くし、だからこそ、自分はこっちで。社会貢献系の事業はいろんな人たちが集まっていくべきだなと思ったし、リタリコは株式会社で大きくしていこうとしていたので、ハッピーな人を増やしていけるのがすごいいいなと思い、選びました。

結局、自分が何に貢献しているのか、に対して納得感が持てないとあまり頑張り続けるということはできないのかなと思います。自分の気持ちにまっすぐに、この貢献がいいんだと信じられるかどうかが頑張りの総量に繋がって、結果的にビジネスマンとしての成長にもつながってくる要素だと思ったので、自分の会社を選びました。

 

−野地さんがお仕事において大切にされている想いはありますか?

 

 仕事をするときの想いは2つあって、一つ目は「どんな人とでもまっすぐ向き合う」こと。

 これは僕自身アメリカに住んでいた時に英語も喋れないアジア人として馬鹿にされた経験から来ていて、僕は「英語喋れたら俺の方がかしこいのに」と思った時に、いる環境が違うだけで輝きは違うかなと思って、それで僕は変わった気がします。東大に入ってからもいわゆるオタクみたいな人って一定数いると思うんですけど、それまでの僕だったらどちらかというとバカにするタイプだったんですね。でも、むしろオタクってすごい良いな、何かに情熱を持って取り組んでいるのって素晴らしいな、とその人たちの活動に興味を持って仲良くなったりとか。人って色々な側面があるんだからフラットに真摯に、っていうのが自分のこだわりです。

 もう一つは、「社会貢献性の高いことがもっとポップな存在になってほしい」なと。

障害福祉にだけ興味のある人の集まりだったら、きっとネット事業とかアプリ作ったりとか、そういう発想にはなりにくかったと思ったし、福祉の世界にもビジネスマンとして成長してぇみたいな人がもっと入ってきてもいいと思うし、多様性を持つことで、多様な事業ができて結果的により多くの人が幸せになると思うんです。例えば毎年沢山の自殺者がいるとか皆さんご存知の社会課題って沢山ありますけど、それを解決しようとアクションをする人ってまだまだ少ない。そういう意味では自らが社会課題解決の主体者として動いていこうっていうのはマイナーだと思ってるんで、もっとポップなもの、事業としても多くの人が興味を持つものになると、多くの人を巻き込んで社会を変えていくことができるのだろうなと思っています。その辺が僕のこだわりです。

 

−障害福祉をボランティアじゃなくて会社でやると、どのような意味があるのですか?

 例えば「うちの会社は一つの事業しかなくて、働いている人も障害者施設の経験者だけで構成されています。より多くの人たちが就職できるように頑張ります」って言っても残念ながら君達は興味持たないと思うし、東大で言ったらボランティアサークルとか、身内や親戚に障害者の人がいるっていう人は興味持つかもしれないけど、それ以外の人は興味持たないというのが現実だと思う。

でもこれが、「もともとDeNA でゲーム部長やってた人やGREEで執行役員やってた人やリクルートの社内コンペで何度も優勝してた人たちとが集まって新規事業作っていて、今からそれらの企業に行くよりもそこで活躍してた人と内定者時代から一緒に事業作ります、普通に働いてたらその人と一緒のプロジェクトするのに数年かかるかもを内定者の時からできるチャンスがゴロゴロ転がってます」って言ったらもう少し興味持つ人増えそうじゃないですか。そして事業の幅が広がったり、興味ない人が興味持つポイントっていうのが出てきたりすると、もっといろんな人たちを巻き込んで社会変革できる可能性が広がるなと思います。それは株式会社、ビジネスとして大きなビジョンを掲げることで実現できることかなと思っています。

 政策提言もやってまして。今までの事業の流れが、「働く」から始まったわけですが、幼少期からの苦労の積み重ねで働く困難が生まれている人がいる、なら「教育」の事業をやろう。教育の困難さは教育が画一的でみんな同じ様に学ばないといけないというシステムが原因の一つなのではないか、だったらもっと色々な選択肢があって選ぶのが当たり前になったらいいんじゃないのと新しい教育の事業をつくり、子どもの教育の選択肢ってそもそも親御さんの教育観に左右されるから親向けの事業もやろうか、これを根本的に解決するには政策にもアプローチしていく必要があるよね……って繋がっていき政策提言に力を入れ始めました。そしたら文科省の人が辞めてうちの会社に来たりして、すごいなと。

 そんな感じで興味のある人以外も巻き込んでいける側面があることで社会にインパクトを残していけるのかなって思ってるんで、僕自身採用やってる時、僕自身も興味があるのではなく入ってきてることもあって、こだわってましたね。

 

−今後の目標や人生で成し遂げたいことはございますか?

 僕は人生で成し遂げたいこととかを強く掲げるタイプではないんですけど、自分が全力投球することに意義を見出して、自分の意思決定に納得している状態ではありたいなと思うし、いつも自分の心が正しいなと思うことをやっていきたいと思っています。うちの会社を成長させることはハッピーな人が増えることに直結すると思うし、いろんな会社があるけど自分の時間をどういう風に使うのか自分的に一番気持ちいいのはなんだろうって思った時に、それはより多くの人たちの幸せにつながることだなと個人的に思ってるんで、僕は今自分の時間を会社に使ってることが今は有意義だと思っています。

 あとは、さっきも言ったけど社会課題を解決するのがもっと気軽なものになってほしいなあと思ってて。例えば教育の事業は学生の方もいて、東大の人も何人かいます。ものすごい重い覚悟を持たないとそういうことしちゃいけないかというと、そこまで思い詰めすぎなくてもいいのかなと。当然人生の一端を担うっていう責任の重さもあると思うんですけど、そんなもの背負い切れる人って逆にいるのかっていわれたら、そんな人いない。いろんな人と仕事やってみたいなとか普通の塾講師じゃ面白くないからユニークな子を教えてみたいなとかそんなんでもいいと思うんですよね。それぐらいある意味手軽なものになってほしいなと。気軽に社会課題の解決に入り込んでほしいなと思うし、次第に真剣になっていったら、必ず救われる人もいるなあと思うので。リタリコワンダーでは学生の方も大活躍しているので、興味あれば。小学生低学年でゲームを遊ぶ方でなく作ったりとかしますからね。デジタルネイティブってこういう子たちのこというんだあという感じです。

 

−子供にプログラミングを教えてるんですか?!

 そうそう。でも教えるっていうより、興味関心を伸ばすことを主眼としているのでテキストに完全準拠してとかではなく、「何作りたいのー?」から入ってくるんですね。教えるっていうよりその子がやりたいこと、燃えていくところをサポートする。

理念とか知らずに行くと一見教えなくて放置されてんのかなって思われる瞬間もあるんですけど、それぐらい子供たち自身の内なるものを大切にしてて。お年玉切り崩して通いたいって子もいるらしいですよ笑

 

−最後に、大学生に対してのメッセージをお願いします。

 

 熱中できることをなんでもいいので、とことんやることをオススメしたいですね。

旅行、勉強、サークル、部活なんでもいい。ただ、やってて辛い事とか楽しい事もあるとおもうけど、それらを乗り越えられる強さは、情熱を持って取り組んで行かないと見えてこないものだと思うので、いろいろやらなきゃいけない事たくさんあると思うんですけど、自分の心がやりたいことに脇目も振らず突き進むことが大事だと思います。実際仕事をしていてもいろんなことに共通する要素ってありますし、一つのことを突き詰められた人だったら仕事で例え全然別の事をやることになってもそこに望むスタンスとかが備わっていると思うので、それを大事にしていってほしいですね。

 

 

編集後記
私自身も社会貢献をやってみたいけど、大変そう……と思っていたので、「ポップなものにしたい」という野地さんの考えに非常に感銘を受けました。自分には関係ないと思っていた人が気軽に参加できるようになれば、もっと色々な社会問題がスムーズに解決していくのではないかという希望が湧いてきました!何がしたいのか悩んでいる学生のみなさんも、是非1つのことに頑張って熱中して取り組んでみて、自分のやりたいことを見つけていけばよいのではないでしょうか?
小学生もプログラミングを進んでやる時代らしいので私もやらなきゃですね(汗)

第26回交流会の詳細とお申し込みはこちらから!

http://todai-dream-net.com/press-release/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%9A%84%E6%91%A9%E6%93%A6%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E7%AC%AC26%E5%9B%9E%E4%BA%A4%E6%B5%81%E4%BC%9A/