ポップな社会貢献ってなんぞや?渋谷で遊びまくった野地さんが社会課題を解決するに至った経緯とはいかに!?

 

今回はLITALICOにお勤めなさっている野地さんにお話を伺ってきました!

そんな野地さんも学生時代は渋谷で遊んでばかりいた?野地さんの過去から今に至るまでの経緯を丸裸にしていきます!!

野地さん写真

野地翔(のち しょう)さん

経歴:2006年東京大学文科2類入学
2010年経済学部卒業
2010年株式会社LITALICO入社

株式会社LITALICOホームページ:http://litalico.co.jp/

 

野地さんが働かれている「LITALICO」はどのようなことをする会社なのですか?

 

 僕は株式会社LITALICO(以下「リタリコ」)に新卒で入って、今8年目が終わろうとしています。日本語で利他的な精神の「利他」と利己的な方の「利己」とあわせて「リタリコ」という社名になっているのですが、関わる人たちの幸せを作っていくことが自分たちの幸せだし、自分たち自身も幸せだからこそ他の人も幸せにできるよね、っていう意味が込められています。

 

 僕らは「世界を変え、社員を幸せに」という理念を大切にしていて、社名のリタリコって言う所にも紐付いてくるんですけど、世界をよりよく変革していくことを通じて僕ら自身も幸せになっていきたいし、僕らが幸せだからこそ大きいチャレンジができるよねということです。

 

 ビジョンは「障害のない社会をつくる」ことです。

ここでの障害と言うのは生きづらさとか社会の偏見とかをイメージしてもらいたいです。僕らはよく、「障害は人ではなく社会の側にある」と言っています。例えば、僕は眼鏡をかけていますが、社会に眼鏡がなかったらめちゃくちゃ生きづらいし、しんどい。てことは、僕は眼鏡の存在があって生きづらさが解消されている。これって僕が変わったわけではなくて社会が変わったから障害がなくなったということなんですね。

社会において様々な生きづらさを抱えている人がいると思うんですけど、それはその人たちに課題があるのではなくて、社会のほうに課題があるのであって、それらを僕らが解決していけば、障害のない世界をつくれるんじゃないかって。

 具体的にはうつ病、統合失調症など精神疾患のある方が働くことを支援する事業や、発達障害と言われるような、コミュニケーションや勉強が苦手な子どもたちのための教室を展開したり、プログラミングを通じて子どもの興味関心や創造性をもっともっと伸ばしていこうと言うような教育の場所を設けたり。今はネットの事業にも力を入れていて、いろんな施設を検索できたり困り事がある親同士が繋がれるサイトや、自分らしい子育てを通じてより多くの家族の幸せを増やそうとするメディアだったり、後はいろんなアプリを作って楽しく学べたりとか困り事を解決するみたいなことをしている。これも基本的に何かお金とか技術とかって儲かることに使われたりとかするよねっていう中で、やっぱり技術が進歩してせっかく新しいことができるようになったんだったら解決できてなかった社会課題を解決することに使っていきたいという気持ちでやっています。

 そういう感じでうちの会社は2005年にできて、この10年ちょっとくらいでリアルな事業とネットの事業は結構たくさん作ってきました。これからもいろんな事業をたくさんして障害のない社会をつくっていきたいなと思っています。

 

−「障害のない世界をつくる」という会社のビジョンの中で、具体的に野地さん自身はどのようなお仕事をなさっているのでしょうか?

 

 僕自身は割と新規事業に携わることが多くて、教育の事業の立ち上げなどをしてました。その後は経営企画というところで上場の仕事とかもやりましたし、2016年に上場してから1年半位は新卒採用の責任者をやっていました。会社の中ではかなりいろんなことをやらせてもらっているなという感じです。今の仕事はライフプランニング事業といって資金面も含めた家族計画などのプラン策定のお手伝いする事業をやってます。例えば働くっていうことひとつとってみてもいろんな選択肢があったりするわけで、それ単体で完結するというよりはその進路を選んだ後での人生を見据えた選択をしなければなりません。例えば、発達特性によってどうしても苦手なことがある方が、特段配慮のない職場で我慢し続けて働くことで、ストレスによって心が摩耗し、ある種二次的にうつ病になったりそこから働けない期間が長期化してしまうこともあります。その方が安定して長く働けるための選択肢や制度を知っていたら違った選択もあったかもしれません。そういった情報提供をすることも私たちの役割の一つです。

 

−どのようなきっかけで今の会社を選んだのでしょうか?

 

 障がい者支援と聞いて、最初は漠然と社会的意義のあることだなぁくらいで強い興味があったわけではなかったんです。

 前提として自分の学生時代は基本的に堕落した生活を送っていました。それこそ飲み会ばかりで、大学もあまりいかず出席ある科目を極力避けていたぐらい。駒塲より渋谷にいる方が多かったとすら思っています。そんな性格だからこそ自分を勉強する環境に置かなきゃ勉強しないと思ったんで、自分のお金を投資するなら世の中のニュースとかを見たりするようになったりするかなぁと思って株式投資サークルに入ってまして、それは唯一続けていました。

 学生時代はちゃらんぽらんな生活をしていて、就活とかも正直めんどくさいなぁって思って3年生の夏にみんながサマーインターンに行っているときもアメリカの実家で過ごしてました。戻ってくるとすっかり周りが就活モードに切り替わっていて、さすがにもう就活かと、髪染めてスーツ買ってやっと就活を始めたんですよ。東大に来たのも、目的意識というよりは偏差値が高いから選択肢も広がると思ったからなので、同じ感じで就活も難易度が高いところに行けばその先の選択が広がっていくんじゃないかと思って、いわゆる外資系の銀行やコンサルなど選考が早くて難易度が高いということを友達に教えてもらったんで、そのまま受けてみたら、内定もらったりできて。でもとあるコンサルの創業者にベンチャー企業も合ってると思うよって言われて、その人がすごい好きで人生経験もある方だったので、その人が言うならと思って、友達にオススメされたベンチャー企業の集まるイベントに行った時にうちの会社に出会ったんですよ。ベンチャー企業の人はおしなべてこういうことやりたいっていう気持ちが強かったり、スピード感もあって。これからの社会どうなっていくんだろうかよくわからないから、激流の中でも自分で決めて進んでいく力が必要だと思っていたし、そういう意思決定の機会が多いベンチャー企業の方が自分の求める成長にはあっていると思いました。

 リタリコでは当時リタリコワークスって事業しかなかったんですけど、リタリコワークスを通じて就職された方とお話しする機会があって、そこでわかったのは長らく働いていない方たちが「自分は社会から必要とされていない、そんな自分たちを生活させるために国の税金も使われてて、自分がいなくても良いのではないか」というような気持ちになってしまって、すごい後ろ向きな状態で。でも、そういうふうに思ってる方達が働けるようになると、「自分も誰かのためになれるんだ、社会の中での存在意義があるんだ」という気持ちが湧くんですね。明日を諦めてた人に欲望や希望が出てくる姿を見て、「めちゃくちゃこの人たちの人生180度変わってるじゃん」と思ったんです。働くって誰かから必要とされるってことだし、誰かから必要とされることってすごく嬉しいことですよね。

他の企業と迷ったんですけど、僕にとってどっちが価値あるかと思った時に、こっちだったんですね。コンサルとかイケイケのベンチャー系は同級生も結構行くし、だからこそ、自分はこっちで。社会貢献系の事業はいろんな人たちが集まっていくべきだなと思ったし、リタリコは株式会社で大きくしていこうとしていたので、ハッピーな人を増やしていけるのがすごいいいなと思い、選びました。

結局、自分が何に貢献しているのか、に対して納得感が持てないとあまり頑張り続けるということはできないのかなと思います。自分の気持ちにまっすぐに、この貢献がいいんだと信じられるかどうかが頑張りの総量に繋がって、結果的にビジネスマンとしての成長にもつながってくる要素だと思ったので、自分の会社を選びました。

 

−野地さんがお仕事において大切にされている想いはありますか?

 

 仕事をするときの想いは2つあって、一つ目は「どんな人とでもまっすぐ向き合う」こと。

 これは僕自身アメリカに住んでいた時に英語も喋れないアジア人として馬鹿にされた経験から来ていて、僕は「英語喋れたら俺の方がかしこいのに」と思った時に、いる環境が違うだけで輝きは違うかなと思って、それで僕は変わった気がします。東大に入ってからもいわゆるオタクみたいな人って一定数いると思うんですけど、それまでの僕だったらどちらかというとバカにするタイプだったんですね。でも、むしろオタクってすごい良いな、何かに情熱を持って取り組んでいるのって素晴らしいな、とその人たちの活動に興味を持って仲良くなったりとか。人って色々な側面があるんだからフラットに真摯に、っていうのが自分のこだわりです。

 もう一つは、「社会貢献性の高いことがもっとポップな存在になってほしい」なと。

障害福祉にだけ興味のある人の集まりだったら、きっとネット事業とかアプリ作ったりとか、そういう発想にはなりにくかったと思ったし、福祉の世界にもビジネスマンとして成長してぇみたいな人がもっと入ってきてもいいと思うし、多様性を持つことで、多様な事業ができて結果的により多くの人が幸せになると思うんです。例えば毎年沢山の自殺者がいるとか皆さんご存知の社会課題って沢山ありますけど、それを解決しようとアクションをする人ってまだまだ少ない。そういう意味では自らが社会課題解決の主体者として動いていこうっていうのはマイナーだと思ってるんで、もっとポップなもの、事業としても多くの人が興味を持つものになると、多くの人を巻き込んで社会を変えていくことができるのだろうなと思っています。その辺が僕のこだわりです。

 

−障害福祉をボランティアじゃなくて会社でやると、どのような意味があるのですか?

 例えば「うちの会社は一つの事業しかなくて、働いている人も障害者施設の経験者だけで構成されています。より多くの人たちが就職できるように頑張ります」って言っても残念ながら君達は興味持たないと思うし、東大で言ったらボランティアサークルとか、身内や親戚に障害者の人がいるっていう人は興味持つかもしれないけど、それ以外の人は興味持たないというのが現実だと思う。

でもこれが、「もともとDeNA でゲーム部長やってた人やGREEで執行役員やってた人やリクルートの社内コンペで何度も優勝してた人たちとが集まって新規事業作っていて、今からそれらの企業に行くよりもそこで活躍してた人と内定者時代から一緒に事業作ります、普通に働いてたらその人と一緒のプロジェクトするのに数年かかるかもを内定者の時からできるチャンスがゴロゴロ転がってます」って言ったらもう少し興味持つ人増えそうじゃないですか。そして事業の幅が広がったり、興味ない人が興味持つポイントっていうのが出てきたりすると、もっといろんな人たちを巻き込んで社会変革できる可能性が広がるなと思います。それは株式会社、ビジネスとして大きなビジョンを掲げることで実現できることかなと思っています。

 政策提言もやってまして。今までの事業の流れが、「働く」から始まったわけですが、幼少期からの苦労の積み重ねで働く困難が生まれている人がいる、なら「教育」の事業をやろう。教育の困難さは教育が画一的でみんな同じ様に学ばないといけないというシステムが原因の一つなのではないか、だったらもっと色々な選択肢があって選ぶのが当たり前になったらいいんじゃないのと新しい教育の事業をつくり、子どもの教育の選択肢ってそもそも親御さんの教育観に左右されるから親向けの事業もやろうか、これを根本的に解決するには政策にもアプローチしていく必要があるよね……って繋がっていき政策提言に力を入れ始めました。そしたら文科省の人が辞めてうちの会社に来たりして、すごいなと。

 そんな感じで興味のある人以外も巻き込んでいける側面があることで社会にインパクトを残していけるのかなって思ってるんで、僕自身採用やってる時、僕自身も興味があるのではなく入ってきてることもあって、こだわってましたね。

 

−今後の目標や人生で成し遂げたいことはございますか?

 僕は人生で成し遂げたいこととかを強く掲げるタイプではないんですけど、自分が全力投球することに意義を見出して、自分の意思決定に納得している状態ではありたいなと思うし、いつも自分の心が正しいなと思うことをやっていきたいと思っています。うちの会社を成長させることはハッピーな人が増えることに直結すると思うし、いろんな会社があるけど自分の時間をどういう風に使うのか自分的に一番気持ちいいのはなんだろうって思った時に、それはより多くの人たちの幸せにつながることだなと個人的に思ってるんで、僕は今自分の時間を会社に使ってることが今は有意義だと思っています。

 あとは、さっきも言ったけど社会課題を解決するのがもっと気軽なものになってほしいなあと思ってて。例えば教育の事業は学生の方もいて、東大の人も何人かいます。ものすごい重い覚悟を持たないとそういうことしちゃいけないかというと、そこまで思い詰めすぎなくてもいいのかなと。当然人生の一端を担うっていう責任の重さもあると思うんですけど、そんなもの背負い切れる人って逆にいるのかっていわれたら、そんな人いない。いろんな人と仕事やってみたいなとか普通の塾講師じゃ面白くないからユニークな子を教えてみたいなとかそんなんでもいいと思うんですよね。それぐらいある意味手軽なものになってほしいなと。気軽に社会課題の解決に入り込んでほしいなと思うし、次第に真剣になっていったら、必ず救われる人もいるなあと思うので。リタリコワンダーでは学生の方も大活躍しているので、興味あれば。小学生低学年でゲームを遊ぶ方でなく作ったりとかしますからね。デジタルネイティブってこういう子たちのこというんだあという感じです。

 

−子供にプログラミングを教えてるんですか?!

 そうそう。でも教えるっていうより、興味関心を伸ばすことを主眼としているのでテキストに完全準拠してとかではなく、「何作りたいのー?」から入ってくるんですね。教えるっていうよりその子がやりたいこと、燃えていくところをサポートする。

理念とか知らずに行くと一見教えなくて放置されてんのかなって思われる瞬間もあるんですけど、それぐらい子供たち自身の内なるものを大切にしてて。お年玉切り崩して通いたいって子もいるらしいですよ笑

 

−最後に、大学生に対してのメッセージをお願いします。

 

 熱中できることをなんでもいいので、とことんやることをオススメしたいですね。

旅行、勉強、サークル、部活なんでもいい。ただ、やってて辛い事とか楽しい事もあるとおもうけど、それらを乗り越えられる強さは、情熱を持って取り組んで行かないと見えてこないものだと思うので、いろいろやらなきゃいけない事たくさんあると思うんですけど、自分の心がやりたいことに脇目も振らず突き進むことが大事だと思います。実際仕事をしていてもいろんなことに共通する要素ってありますし、一つのことを突き詰められた人だったら仕事で例え全然別の事をやることになってもそこに望むスタンスとかが備わっていると思うので、それを大事にしていってほしいですね。

 

 

編集後記
私自身も社会貢献をやってみたいけど、大変そう……と思っていたので、「ポップなものにしたい」という野地さんの考えに非常に感銘を受けました。自分には関係ないと思っていた人が気軽に参加できるようになれば、もっと色々な社会問題がスムーズに解決していくのではないかという希望が湧いてきました!何がしたいのか悩んでいる学生のみなさんも、是非1つのことに頑張って熱中して取り組んでみて、自分のやりたいことを見つけていけばよいのではないでしょうか?
小学生もプログラミングを進んでやる時代らしいので私もやらなきゃですね(汗)

第26回交流会の詳細とお申し込みはこちらから!

http://todai-dream-net.com/press-release/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0%E7%9A%84%E6%91%A9%E6%93%A6%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E7%AC%AC26%E5%9B%9E%E4%BA%A4%E6%B5%81%E4%BC%9A/

【6月16日開催】【第26回交流会】代表挨拶

第26回交流会まであと9日となりました!

本日は弊団体の代表、戸嶋寛太より代表挨拶をお送りいたします!

fb_代表挨拶-80

 

ウルフルズの「ええねん」って知ってますか。

 

あんなにポジティブな曲はないと思います。

失敗して転んで傷ついても、

情けなくなって後悔して泣いても、

何も言わなくても何も持っていなくても、

トータス松本の全力の「ええねん」がそっと背中を押してくれる歌です。

 

僕は、交流会は「ええねん」の場だと思っています。

どんなに進路に迷っていても、どんなに今の自分が不甲斐なくても、

それで「ええねん」と言ってくれる、心の底から応援してくれる、

「大人」が、「仲間」が、絶対にそこにはいます。

 

なんでも「ええねん」と背中を押す姿勢は、あるいは無責任に聞こえるかもしれません。

 

しかし、大事なのは、自分の全てをかけて、自分を、他者を、受け入れることだと思います。

 

人は、様々な人や環境に出会う中で、キャリアを選択します。

その選択は一つの結果であると同時に、何かの原因となっている。

 

この複雑な因果を自覚して、心の動きに素直に従うこと、

その上で、今の自分を形づくる、人や環境に対して感謝の気持ちを伝えることこそが、

キャリアを選ぶ上でも、「大人」として生きていく上でも、大切なことなのではないでしょうか。

 

大事なのは、自分の全てをかけて、自分を、他者を、受け入れること。

 

価値観とか社会とか、成功とか挫折とか、好きな音楽とか女の子の話とか。

何かを語り、語ることで初めて、交流が生じていく。

未知なる出会いと交流を通して、相手を、自分を、本気で受けとめあう場が交流会だと思います。

 

6/16(土)、本気の「ええねん」があなたを待っています。

そのために、何ヶ月も前からメンバー一同本気で準備してきました。

 

少しでもそういう場がええなあと思ったら、ぜひ覗きにきてください。

僕の言葉で誰かが動いてくれれば、「ええねん」冥利に尽きます。

 

東大ドリームネット14期代表 戸嶋寛太

 

第26回交流会のお申し込みはこちらから!

https://www.e-space.ne.jp/careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/event/pc/index.php?m=1&no=cWLtzzN

【開催報告】【4/24(火)羽生善治永世七冠講演会】

 

先日、駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホールにて羽生善治永世七冠による講演会を開催しました。

平日で、授業時間帯と重なっていたにも関わらず、150名ほどの学生に参加していただきました。

ご来場いただいた学生の皆様、本当にありがとうございました。

 

羽生様には自己管理の方法を中心にお話ししていただき、実際にご自身が将棋において実践されている不調への対処の仕方や精神の整え方などを、具体的に学生にご教授していただきました。

講演会終盤で、羽生様には複数の参加者からの質問に一人一人丁寧にお答えいただき、今後社会で自身の持つ能力や適性を存分に発揮することを望む学生達にとって、大変良い刺激となったことと思います。

 

先日はおかげさまで盛況の内に会を終えることができ、羽生様を始め、東京大学卒業生室の森様、東京大学総合文化研究科の酒井教授、そして参加してくださった皆様、誠にありがとうございました。

今後も東大ドリームネットでは様々な企画を開催していきますので、どうぞよろしくお願いします。

 

S__178675726

【6月16日開催】第26回交流会申し込み開始

第26回交流会FB用1-1

交流会とは、東京大学、東大ドリームネット、東京大学三四郎会が年に2回開催する、若手東大卒業生と現役東大生との大規模交流イベントです。

東大生が自らのキャリアを主体的に選択できるよう、またより有意義な学生生活を送ることができるよう、そのきっかけとして、卒業生と、気軽に、しかも本音で語り合えることが最大の魅力です。

今回のテーマは、大切にしたいことを持って自分らしく生きること。
卒業生は何か実現したいこと・大切にしたいことを持って自分らしく楽しんで生きています。そうした卒業生との対話を通して、自分自身が大切にしたいことについて考え、今までの行動を変えるきっかけのための1日にしましょう。

商社、メーカー、官僚、法曹、金融、アカデミア、製薬、コンサル、広告等、様々な業界から、若くして社会の各分野をけん引する卒業生が参加します。

【開催日時】
2018年6月16日(土)
受付|12:30〜
開始|13:00
終了|18:00予定
※第一部途中入退場可能

【開催場所】
東京大学本郷キャンパス御殿下ジムナジアム

◆13:00〜 オープニング

◆13:30〜 第一部 グループディスカッション
グループディスカッション①
卒業生に、現在取り組んでいることや大切にしていることを伺います。
グループディスカッション②
過去の経験や体験から自分が大切にしていることについて考えます。
グループディスカッション③
今日の議論を振り返り、新しくやりたいことや続けたいことを言語化します。

◆17:00〜 第二部 懇談会
立食形式の懇談会です。もっと話を聞きたいと思った卒業生や、自分の関心のある分野の卒業生と自由に話すことができます。

【参加対象】
東京大学の学生
※大学院生を含む、参加定員350名
※参加無料、服装自由

【お申し込みはこちら】

PCから
https://www.e-space.ne.jp/careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/event/pc/index.php?m=1&no=cWLtzzN

スマホから
https://www.e-space.ne.jp/careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/event/mobile/personal_entry.php?m=2&no=cWLtzzN

【東大卒業生 インタビュー】 新しい食育で子どもを救う!『異才発掘プロジェクト:ROCKET』福本理恵さんが語る食の力  ←第15回語る会 食企画へご参加いただきます!!

「食育」というと、どのようなイメージが思い浮かびますか? たんぱく質の豊富な食材はこれ、1日に必要な野菜はこれくらい—学校の授業ではそんなことを教わってきたでしょうか。

第15回東大卒業生と語る会・食企画にお越しになる卒業生の1人、福本理恵さんが取り組むのは、今までとは全く違う食をツールとした教育。福本さんのお話から、食の持つ大きな力と教育の未来像が見えてきました!

※今回インタビューさせていただいた福本理恵様には5月13日(日)開催の「第15回 東大卒業生語る会 食企画」へお越しいただきます!(食企画の詳細・お申し込みはこちら

福本様 お写真

Profile

福本 理恵(ふくもとりえ)

1981年生まれ。東京大学先端科学技術研究センターの交流研究員を経て、東京大学大学院博士課程に進学。心のメカニズムを探るべく認知能力(モノの捉え方) についての研究をするも、自身の体調を崩したことをきっかけに、日々の食の重要性を再確認する。「豊かな心は、楽しい食卓から」をモットーに、「種から育てる子ども料理教室」のカリキュラム作成および運営に携わる。2014年からは東京大 学先端科学技術研究センターにて、農と食から教科を学ぶ「Life Seed Labo」を企画、2014年秋にスタートする「異才発掘プロジェクト:ROCKET」のプロジェクトリーダーとしてカリキュラム開発に携わる。
種から育てる子ども料理教室:http://kodomoseed.blogspot.jp/
Life Seed Labo:http://doit-japan.org/lifeseedlabo/
異才発掘プロジェクトROCKEThttps://rocket.tokyo/

 

食は「生きる力」を養う絶好の教材

—福本さんは現在、“学校からはみ出した”小中学生対象の教育プログラム『異才発掘プロジェクト:ROCKET』のプロジェクトリーダーとしてその運営やプログラム開発をしていらっしゃるそうですね。ROCKETのカリキュラムに含まれているという食に関する授業について、詳しく教えてください。

はい、生徒は「解剖して食す」という授業を一番最初に受けます。例えば、いろんな種類のイカとハサミ・まな板・白い食器だけ渡して、「イカスミのパエリアを作ってください」とか。

—レシピも何もなく? 生徒たちが、イカスミのパエリアってこういうのだったなっていうイメージを元にそれに近づけていくということですか。

そう。普通の家庭科の授業だったら、時間枠があって材料もレシピも盛り付け方も教えられて、そこに近づけないといけないっていうのがゴールになっちゃうけど、ROCKETではミッションをこなすことが目的ではない。目的は、自分の納得のできる一皿に仕上げるために、「技術が追いついてないからこの方法はやめてこっちのやり方にしよう」とか、予定に変更を加えながら決断と実行を繰り返すこと。

それって人生も同じです。こうしたらこういう職業に就けますよとか別にないじゃないですか。何が起こるかわからないし、アクシデントが起こった時どう捉え直して選択肢に変更を加えていくかの連続で自分のなりたいものに近づけていく。それを模した形で「解剖して食す」という授業をやってるんですよ。

syoku

—正解に自分を近づけるのではなく、自分の価値基準の形成に目を向けた教育をしたいと思ったきっかけはありますか?

結局、お母さんたちは子育てのマニュアル本を探してしまっているし、子供もすぐに「どうしたらいいですか」って聞くような思考になっている。どうしたらいいかはあなたの人生だから、それを考えるための材料を選んでいって、選択肢を並べて、それで行こうってあなたが決断しないといけないことなのに、みんな他人に人生を委ねようとする。そこに違和感を覚えたのが始まりです。

—福本さんの運営する子ども向け料理教室Life Seed Labでも、自分の中に判断基準を養うことを重視した教育を行っていらっしゃいますね。

Life Seed Labで、オリジナルのドレッシングを作りなさいという課題を出したことがあるんです。油と水の比率など、ドレッシングを作るための基本的な知識だけ教えて、原料は自由ってすると、一気に実験が始まるの。甘み一つとっても、はちみつもあればグラニュー糖もあって、それぞれ風味が違うし、子供たちの好みも違うんです。大人っぽい甘みが好きな子もいれば、キャンディーみたいな甘みが好きな子もいる。そういう好きか嫌いかっていう感覚の違いを探ることで初めて、自分の中で基準を決めることができるんですよね。Life Seed Labではドレッシングを作るという作業を通して、子どもたちが五感に基づいた判断基準を作っていく。

そういうことだなと思って、人生って。それぞれの要素をちょっとずつ試しながら、感覚のレベルで好きだと思うことが出てくるだとか。それは実験しないと、頭で考えていても分からないことです。そういう感覚の基準ができて初めて、知識に基づいて選ぶこともできるようになるのに、今の教育ってそういう試しをまずさせてくれないんです。実験をきちんとやりながら自分の判断基準を作っていく教育ができればすごく面白いと思っています。

 

「今日のごはんおいしかった」が幸せを作る

—大学では教育学を、大学院では心理学を学ばれていたそうですね。その後食育に関わるようになった経緯を教えてください。

教育学部時代は、一斉授業をする中でクラスで浮いてる子たちがどうしても気になっちゃって。その子らはどういう家庭で育ってるんだろうとかね。一斉授業をやってると、気になっているのに置いてかないといけなくて、その状況がすごく心苦しくて。その時の思いが今関わるROCKETの活動に繋がっているんじゃないかと感じます。

大学院では一時期、自閉症の子たちを対象に研究していたんですが、そこで痛感したのは世界の見え方が本当に人によって全く違うということ。だからこそ学校の中で一律に刺激を受けても違うように反応してパニックを起こしちゃうって子がいると分かった。

そうやって、学部時代に抱いた思いに対して自分の中でなんとなく答えは出たんですが、それが世の中を変えるにはものすごく時間がかかることだなって思って。そうこうしてるうちに、目の前の人をもっと幸せにする方法って簡単にあるはずなのに。例えば一緒にご飯を食べて笑うとか、美味しかった〜って思うとかね。私もちょっと体を壊していたこともあって、食で教育を考えると自分も楽しいしダイレクトに人を幸せにできるんじゃないかと、思い切って研究から離れて食の世界に入りました。

—そこで食の道を選んだことには、ご自身のどのようなバックグラウンドが影響しているんでしょうか?

もともと料理が好きだったんです。うちの母は忙しくて帰ってくるのが遅かった。その中で、私が家族との楽しい時間を作れる仕事って料理を作ることだったんですね。それが多分じわじわ効いていて、大学を選ぶ時も食の専門学校に行きたいって言ったことがあるほど、食を使って何かしたいという思いはずっとありました。

食A

—どのような学生時代を過ごされたのか、教えていただけますか。

私不登校だったのね。中学くらいから、なんか行く意味がわからなくて。別にいじめられていたわけではないし楽しくなかったわけでもないんだけど。

だから中学の時くらいから休み癖が結構付いていて、大学も割と休んでいた気がします。じゃあ何するって言うと家で料理したりとか。でもそれって別に学んでいなかったわけではなくて、授業は受けてないけど自分で料理の実験をしたり、美味しいお店を探してなんでおいしいのか考えて自分の視点を養ったりしていた。

大学の授業はすごく高度な内容になってくるけど、高度になりすぎると地に足をつけたところまで落とせなかったりするじゃないですか。私の場合は日常生活と知識を結びつけることが好きだったし、そこが今のカリキュラム開発の仕事にもつながっている気がします。

—当時の福本さんご自身が今関わっていらっしゃる小中学生に近い感覚を持っていたのかもしれませんね。

 

食べたさがヒトを「人間」にした—無限大な食の力

—小中学生と接する中で、食の持つ役割の変化をお感じになりますか?

最近の子供達ってスマホがあるから一人でも楽しくご飯が食べられる。だけど会話が全然できないのね。みんなでご飯を食べる場面でも、静かに食べていたり、聞かれたことに対して「はい」「いいえ」とかピンポイントな会話しかできなくなっている。食事すること自体が会話を楽しく続けたり知識を交換したりする場としてあったのに、その役割が結構なくなってきていると感じています。

—コミュニケーションの場としての役割が弱まってきているんですね。ではご自身についてはどうでしょうか。特に食に携わる前後で、ご自身の食に対する考え方が変わったという感覚はありますか?

食はすべてのものをつなげるなって言う感覚がすごく強くなりましたね。教材としてだけじゃなく、人との繋がりもそう。違う業種の人と話をしても、食がベースにあると話がどんどん広がっていく。例えば「今日の天気いいですね」って言うのは、天気が人類にとって普遍的なものだからでしょ。それと同じように食も普遍的なことだから、どういう分野に行っても盛り上がるし、どこの国に行っても盛り上がる。

そもそも人って食べることで進化してきたんだなって思っているんですよ。火を起こして生食ではなく加工食を食べられるようになって、脳が肥大化していった。だから食の進化イコール技術の進化ってことだし、狩猟も協働しないとできないことだから、食べたいがために社会性は発達してきたということ。だから食って全てに関わっているなと思って。

—食の利用可能性って無限大ですよね。そこが食に携わる面白さの1つだと思うのですが、他にも福本さんの考える食に関わることの魅力があれば教えてください。

「幸せ」ですかね。

今年、ROCKETの子供たちに「最高のおぼろ昆布」を作れっていうミッションを出してるんです。そうしたら実際におぼろ昆布取りにいってみようとか、おぼろ昆布の職人さんに習ってみようとかなりますよね。そうすると「昆布とワカメってどう違うのかな」とか、「昆布ってどう取るのかな」とか、自分の知らないことをどんどん発見していって、どんどん面白くなっていく。しかもそれが自分の世界に取り入れやすいのね。最終的に「昆布ってすごい」という見方が日常に入るようになって昆布に愛着が湧いて、じゃあ今日はパックじゃなくて昆布で出汁を取ってみようかっていう生活に変わっていくと、生活自体がすごく豊かになる。

そういう面白さを気軽に手に入れられるのが食だと思います。ロボット作ろうと思っても、資金や技術がないと出来ないけど、食って全てのハードルが低い。金額的に見ても、いくら高級な肉って言っても100グラム2,000円とかだし。だから思い切ったことが出来るし、日々のちょっとした楽しみの幅を増やしながらいろんな可能性を広げてくれるっていうのが食の強みだと思いますね。

—最後に、大学生へのメッセージをお願いします!

 

まずいろんな人といろんな話をしながら、面白いと思ったことを自分で実際にやってみる。多くの大学生は実行力が足りない気がするんですよ。面白いなと思ったら「いいですね」って言うけどやりはしないのね。

「いいですね」じゃなくてやってみなよ、と。本当に何かいい考えがあった時に共感するだけじゃなくて、一歩踏み出す勇気と、その一歩を引き出す好奇心、最後までやりきる努力、その三つを大事にしながら生きていくと、自分のやりたかったこととか、共感を受けたものが自分でできるようになっていく。ぜひそのステージに踏み出してほしいなと思います。

—貴重なお話をありがとうございました!

 

福本さんにお話しいただいたプログラムの数々は、自分もこんな教育受けてみたかった…!と心底思うほどどれも面白そうでした。

今回お話を伺った福本理恵さんは、5/13(日)の第15回東大卒業生と語る会・食企画に参加されます!

福本さんに直接お話を聞いてみたい方はぜひお越しください。

 

□企画概要

【日時】2018年5月13日(日)14時〜17時

【場所】東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE WEST

※参加無料・服装自由・途中入退場自由 

詳細・お申し込みはこちら


同じく、本企画にお越し下さる株式会社コンプの鈴木優太様にもインタビューをさせていただきました!こちらからどうぞ

【東大卒業生と語る会 スポーツ企画】統括インタビュー

スポーツ企画 HP用

 

【5月13日(日)開催 第15回東大卒業生と語る会 スポーツ企画 統括インタビュー】

 今回は、第15回語る会スポーツ企画を企画した東大ドリームネット3年の倉西さんのインタビューをお届けします。

インタビュアーは同じく3年の成瀬がつとめます。

スポーツ企画の詳細・お申し込みはこちら

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

成瀬:
早速企画に関してお聞きしますが、どうして今回「スポーツ企画」を企画したのですか?

倉西:
一つは、僕がスポーツを観るのが好きでスポーツ業界というものに興味を持っていて、その中で
日本と海外の「スポーツ」の違いというものに問題意識を感じてきたからです。

成瀬:
具体的には例えばどういう違いがあるんですか?

倉西:
大きいのは、例えば設備の違いやお金の使い方の差ですかね。スタジアムの規模などは日本と比べものにならないものがあるし、お金はチームの環境に大きく影響します。

成瀬:
つまり
日本のスポーツ界が遅れているという…?

倉西:
ある一面ではそういうこともあると思います。

もう一つはいつも観ているスポーツの裏側を知りたいということです。プレイヤーだけではチームもスポーツ業界も回っていかなくて、それを支えるマネジメントや広報など、一般に知られていないことがたくさんあると思うんです。

成瀬:
確かに。僕もサッカーの日本代表の試合を観ますが、今言ったようなプレイヤー以外の面を考えたことはありませんでした。

倉西:
そうですよね。そういう裏側を知れば、今までとは違う見方ができて視野も広がるんじゃないかと思います。

成瀬:
では当日はどのようなことをするんですか?

倉西:
まず、スポーツチーム、特にプロサッカーチームのマネジメントなどに携わられている卒業生をお呼びして、どうしてそのような道を選ばれたのかや現在のお仕事内容などのスポーツ業界の裏側について少人数のグループごとにお話を伺います。

元現役プレイヤーの方もお呼びする予定です!

成瀬:
そういう方々のお話を伺える機会は貴重ですね。

倉西:
やはり
スポーツ業界はマイナーだと思うんです。なので少しでも多くの人に知ってもらいたいなと。

また、卒業生の方が考える未来の日本のスポーツ界についても、現在の日本と海外のスポーツ界を比べつつ語っていただこうと思います。

成瀬:
最後に一言。

倉西:
他では伺えないようなことを聞けると思うので、みなさんいらっしゃって損することはありません。来た方がいいと思いますよ!笑

成瀬:
自信満々ですね笑 

当日楽しみにしています。本日はありがとうございました。

倉西:
ありがとうございました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

そんな倉西さんが企画するスポーツ企画の詳細はこちら↓

■□企画情報■□

■日時:2018年5月13日(日)  14:00~17時00分(13時30分より受付)
■会場:東京大学駒場キャンパス 21 KOMCEE West
■注意事項
参加費無料・服装自由・途中入退場自由
■参加方法
こちらから事前の申し込みをお願いいたします。

※スポーツ企画へお越し下さる卒業生情報などはこちら

プロ棋士を目指したはずが政治家に!?−東京都議会議員鈴木邦和さんインタビュー

東大ドリームネットの元代表であり、現在は東京都議会議員の鈴木邦和さん。

入ってすぐに大学に行くモチベーションを失い、その後の7年間(!?)の大学生活を経て、見えてきた「本当にやりたいこと」とは?

「将棋のプロ棋士」を目指した青年が「政治家」になるまでのキャリアに迫りました。

S__175423519

プロフィール:鈴木邦和(すずきくにかず). 1989年生 東京大学工学部卒. 在学中に東北の支援団体や政治メディア会社を起業. 2013年 東大総長大賞 団体受賞. 2016年 米フォーブス誌 30 under 30 in Asia. 2017年 東京都議会議員に選出. 2018年 世界経済フォーラム Global Shapers.

_________________________________________

 

将棋のプロ棋士になりたかった

 

−まず、簡単な自己紹介をお願いします。

鈴木邦和です。現在は都民ファーストの会に所属していて、127名からなる東京都議会の議員をやっています。

−議員さんなんですね

はい、東京都のいろんな政策を考えて提案したり、決定したりするというのが主な仕事です。

S__175423524

−最初から政治家になるおつもりだったんですか?

いいえ、実は大学に入った時は将棋のプロ棋士になりたかったんです

−将棋の棋士?

はい、高校時代ずっと将棋に打ち込んでいて、全国大会にも何度か出場していたんですけど、全国では中々勝てなくて・・・それで、東大の将棋部ってめちゃくちゃ強いんで、東大の将棋部に入りたかった。

 

−じゃあ、将棋一筋の大学生活だったんですか?

いや、それが大学に入った後に、僕は大した将棋の才能がなくて一年の春にやめちゃったんです

−一年の春って、すごく急ですね…。どうしてやめちゃったんですか?

いちばん重要な才能は情熱なんですよね将棋にどれだけ自分の人生をかけられるかが問題で…。大学の将棋部には、僕よりもずっと真剣に将棋と向き合っている人たちが沢山いました。それを見て僕には無理だなと。

そうすると大学に行く目的がなくなっちゃった。これ本当なんです。

将棋をやめてから大学があまり好きになれなくて、

結局7年いたのかな、留年と休学を繰り返してますけど笑

 

7年…! なんで大学が好きじゃなかったんですか?

うーん…。その時の自分にとっては、大学で学びたいことが見つからなかったんです。

−学びたいことが見つからない?

話が前後するんですけど、僕、大学時代に一人で小さなメディアの会社を起業したんです。

起業してから改めて痛感したのは、社会で戦っていくために東大生の肩書き自体は、あまり価値がないのかもなーということです。

東大に入る学力があるということは少し意味があるかも知れないけど、実はその時点でもう終わっていて。東大生という肩書きで起業に成功するわけではないので、そういう意味で僕にはむしろ煩わしかった。

授業の内容になかなか興味が持てなかったし、将棋をやめてから本当に目標がなくなってしまいました

 

−大学に行く意味が見出せなかったんですね…。

そうですね。でも、最終的には研究室の先生に救われました。科目の勉強はどうしても身が入らなかったけど、研究は、誰もやっていないことにチャレンジして、0.0001ミリでも人類の前進に貢献できたのが嬉しかった。

研究室では、先生・先輩たちと多くの議論を交わして、仮設と検証を繰り返して結果を求めていく方法とか、学ぶものがたくさんありました。僕が大学を卒業できたのは、ひとえに研究室の先生が最後まで諦めずに指導してくださったおかげなんです。先生がいなかったら間違いなく中退していました。

でも、研究室に入る前の僕にとっては、大学の勉強は順番が逆なんじゃないかと思っていて、「科目の勉強なんて最初にやっても興味持てないな・・・」と思っていました。

 

転換点としての交流会

 

−将棋のプロになる道を諦め、大学に行くモチベーションを失った鈴木さんにとってターニングポイントはどこだったんですか?

いろんな切っ掛けはありましたが、やっぱり「交流会」は大きかったです。

18920880_1668372393203289_5876600821499627605_o

−ドリームネットの交流会。具体的にどのようなところがターニングポイントになったんですか?

交流会に参加して面白かったのは、多様な生き方をしている卒業生がいることでした。

なかなか接点ないですよね、普通の大学生活を送っているだけじゃ。それこそ起業している人って僕はほとんど会ったことがなかったし、起業っていう選択肢がそもそも自分の中になかった。

一度自分の目標としていたものを失って挫折して。でもその後に、交流会でものすごい沢山の選択肢を見せられて、しかもみんな魅力的だった

それは自分にとって大きな転換点になりました。さっきの研究室の先生もそうですが、僕は卒業生たちにも本当に救われたんです。将棋で挫折して腐っていた自分に、新しい生き方を見せてくれた。

120人以上もの多様な分野の第一線で活躍する社会人と、損得抜きに、気軽に、しかも本気で将来について議論できるのは交流会の魅力ですよね。

うん、交流会で卒業生たちと出会ってなければ、僕はたぶん起業もしていないし、政治家にもなっていない。東北の復興支援も続けられなかったと思います。その過程で、一生付き合える本当にいい仲間にも恵まれました。

 

前例がないなら、自分で作る

 

−先ほどからお話に出てる起業についてお伺いしたいのですが、どのような経緯があったんですか?

僕はもともと政治に興味はなかったんですけど、東北の震災があった時に、現地にずっとボランティアに行っていました。

それで、その時に初めていろんな政治の問題に当たったんですね。災害支援のボランティアを続ける中で、政治がもっとうまく機能すれば現場の人は救われるという場面をたくさん目にしました。

−どのようなエピソードがあったのでしょうか?

例えば、震災から1年後に仙台に行った時、駅前にパチンコ屋がめちゃくちゃ立っていました。あの時期は東北各地から仙台に移って来た被災者の方々がたくさんいたんです。それで、国から補償金は出ているんだけど、仕事はないんで、昼間っからパチンコにそのお金を費やしちゃう。これは別に被災者の方々が悪い訳じゃなくて、もっと社会の構造的な問題なんだと思います。

それでも、当時の自分にとってはショックでした。自分は東京から来て、仙台を通り越して石巻でボランティアをやっているのに「なんでだ…」みたいな笑。「どうしてこういうことが起こってしまうんだろう」っていうのを考えさせられて、それで政治に興味を持ったわけです。22歳の時かな。

S__175423523

−政治が良いと思って打った政策が現場では機能していなかった、ということですね。その問題意識からどのように進路が変わったのでしょうか?

当時は、企業に就職することも真剣に考えました。でも、せっかく芽生えた思いがあるなら、政治の分野でできる仕事をしたいなって思って、政治のメディア会社を起業しました。

−政治のメディア?

投票マッチングっていうシステムを中核にしたメディアです。

日本の選挙って、ポスターが街中に貼られて、選挙カーで名前を候補者がよく連呼していたりするじゃないですか。正直うるさいですよね。僕も今回やったんですけど笑

ただそれだけじゃやっぱり伝わってこないないわけです。特に政策がわからない。それで、各政党のマニフェストを読んでみるんだけど、有権者からするとなかなか難しくて比べられないんですよ。誰よりも僕自身がそうだった。

だから各政党のマニフェストをもとに選挙の争点を20個設定して、それらの争点に関する20の質問を公開しました。ユーザーがその20問について賛否を答えていくと、その人に政策的に一番近い政党を紹介するっていうサービスです。

その時は衆院選で50万人くらいの人が使ってくれました。

 

−50万人!かなり反響があったんですね。

その後の僕の問題意識としては、投票って年に一回名前書いて終わりだなと。そうじゃなくてもっとリアルタイムで有権者が政治に声を反映させる仕組みを作りたいなと。

例えば、パリだと市民が毎年行政に事業を提案して、市民の投票によって行政の事業を決めるっていう仕組みがあります。この仕組を市の予算の1-5%の範囲でやっているんです。ものすごく画期的ですよね。

−ITによって市民の意見が直接行政の事業に反映されるって、とても面白い取り組みですね。

こういう海外のオープンガバメントの事例を日本で持ってこようと思って、起業してから議員や役所の方々に提案してきたんですが、やっぱり日本では前例がないってことで最後は断られてしまいました。だったら自分で前例を作ろうと思って

2016年に小池都知事が就任してから「情報公開」を第一に掲げていました。。東京というITの普及率が高い場所で、知事がそういう旗を振っているのであれば、僕の問題意識も形にできるかなと思って、いろいろ悩んだ末に立候補することを決めました。

S__175423525

−自分で事例を作ろうという感じで議員になって、で、実際に前例を作っちゃったという訳ですか?

東京には1370万の人がいますよね。でも、議員は127人しかいない。その中で議員が都民全員の声を聞けるかっていうと、当然聞けない。物理的に不可能です。

でも、いまの時代はITを使えば、直接会えなくても、もっと丁寧に都民のニーズを拾って、それを政策に反映することが出来るんじゃないかって。

そして、今年、パリ市の事例をなんと小池知事が東京都で採用したんです。東京都でも年間10億円近い枠の中で、都民が提案する事業を受け付けています。それを公開して都民の投票で決めてもらうと。ちょうど今日(取材日:2017年12月22日)が投票最終日なんです。

-そうなんですか!全然知らなかった!

行政の事業はPRが結構難しいので、今後の課題ですね笑。

だから、僕としてはこういう新しい行政のあり方、政治のあり方の先進事例を作って、多くの人に広めていきたいなと思います。

テクノロジーで政治を変えたい。できれば東京から新しい政治のモデルを出していっていろんな自治体に普及させていきたい。そういう想いで仕事に取り組んでいます。

S__175423522

最近だとモスクワが凄いんです。モスクワ市の市長は毎週市民にアプリで政策の質問をしています。例えば「新たに公園をつくるんだけど、どんな施設や遊具がほしいか」みたいな質問。それに市民が4択で答えて、その結果を基に市長が政策決定して実現するんです。いまモスクワ市民の20%がアクティブユーザーだそうです。4年に1回、人の名前書いて終わりの選挙より、よほど民意を丁寧に反映しています。かつて世界一の社会主義国の首都だった街が、東京の遥かに先を走っている。

世界を見ていても、僕はやっぱりこれから21世紀の民主主義をリードするのは都市だと思っているので、そういう意味でも東京都の議員としてできることはあるなと。

−都市からテクノロジーで政治を変えていく、お仕事の裏にあるアツい想いがひしひしと伝わってきました。

 

考え続けること、行動すること

 

−この記事を読んでいる学生の中でも、鈴木さんがそうだったように、進路に悩んでいる東大生がたくさんいると思います。学生に向けて何かメッセージはありますか。

シンプルだけど、自分で仕事を選ぶということをした方がいいと思います。

 

−「自分で仕事を選ぶ」?一見みんな自分で仕事を選んでるように思えるのですが…。

自分もそうだったのですが、実は東大生であるがゆえに、むしろ視野を狭めてしまうことがあって

東大だからこそ選びやすいキャリアもあるんだけど、実は思考停止して選んでいる可能性もあるんです。例えば、東大の法学部に入ったら弁護士や官僚になる人がやたら多いですよね。それ自体は全く悪いことではないのですが、キャリアを選ぶ上で「東大法学部卒」という要素に囚われすぎて、それ以外の自分の要素から目を背けてしまっているケースがあります。

自分の純粋にやりたいこととか、それをやることが社会に何をもたらすのかとか、そういう事をもっと真剣に考えた方が、最終的にずっといい選択ができる可能性もあるのかなと。

 

−なるほど、この仕事に就きたい!で終わるのではなく、その仕事の先に自分は何をしたいのかというのを、ずっと考え続けるというのが大事なんですね。

そうですね。でも考えるだけではだめです

例えば「人の役にたつ仕事をしたい」ということを学生時代はみんなよく言います。僕もそうでした。でも、役に立つ仕事をただ考えるだけっていうのと、実際現場に出て何か問題に取り組みながら、答えを探していくのとは全然違うんだと思います。

東北で瓦礫撤去をずっと続けるのってしんどいですよ。人の役に立つ仕事ってそんなに単純な構造で出来ていない。格好いい言葉を身に纏うのは簡単だけど、実際に行動しないとエッセンスは見えてこないのかなーと。

S__175423520

−「考えるだけではだめ」。実際に学生時代にボランティア、起業という経験をされてきた鈴木さんだからこそ、言葉に重みがあります…。

うん、とにかく自分のキャリアの中で「何をしたいか」を常に考えて、実際に行動して突き詰めていくことはすごく大切ですね。

僕の場合だと、やっぱり自分にしかできない仕事をやりたかったんですよね。

でもその「自分じゃないとやれないこと」が、最初から見つかる可能性は限りなく小さい。というか、そもそも自分がそんなに特別な才能を持っている訳ではないから。いろんなことをやって、いろんなとこに行って、たまたま他の人とは違う体験をしてみてようやくほんの少しだけそのヒントが得られるんだと思っています。

ここで偉そうなことを言っていても、僕はいまも全然出来ていないんです。いまでも自分にしか出来ない社会への貢献の方法をずっと模索しています。たぶん一生続くものだし、もしかしたら人生の最後まで見つからないかも知れない。それでも、この生き方のほうが僕にはいい。だから、その最初のきっかけをくれたドリームネットの仲間や卒業生の方々には、本当に心から感謝しているんです。

________________________________________

 

思考停止にならないよう、視野を広げ、行動し、軌道修正を重ねていく。その先に初めて見えてくる「やりたいこと」。

将来「やりたいことは何だろう」と考えるだけで、実はそこで思考停止していた筆者の心には、行動や経験に裏打ちされた、鈴木さんの想いが乗った言葉がとても印象に残りました。

 

今回、鈴木さんがインタビュー中に触れてくださった東大ドリームネットの「交流会」が6/16(土)に本郷キャンパスの御殿下ジムナジアムで開催されます!

進路に迷っている方、鈴木さんのように志を持って社会で活躍されている卒業生の話を聞きたい!という方、ぜひお越しください。

 

□企画概要

【日時】2018年6月16日(土)13時~18時 

【場所】東京大学本郷キャンパス御殿下ジムナジアム

参加者:卒業生100名、学生300名程度を予定。

※参加無料・服装自由・途中入退場自由

詳細はこちらから→http://todai-dream-net.com/2018/01/27/知の創造的摩擦プロジェクト第26回交流会/

お申し込みはこちらから→

PC用 https://www.e-space.ne.jp/careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/event/pc/index.php?m=1&no=cWLtzzN

携帯用 https://www.e-space.ne.jp/careersupport.adm.u-tokyo.ac.jp/event/mobile/personal_entry.php?m=2&no=cWLtzzN

【東大卒業生 インタビュー】 「目指すのは、誰でも健康になれる世界」完全食COMPの生みの親・鈴木優太さんが語る食の未来  ←第15回語る会 食企画へご参加いただきます!!

「完全食」というたべもの、ご存知でしょうか。

ヒトの健康に欠かせない栄養素を理想的に含んだ食品、それが完全食です。

第15回東大卒業生と語る会・食企画にお越しになる卒業生の1人、鈴木優太さんは、そんな完全食の中でもグミタイプやドリンクタイプなど、手軽さに特化した商品を開発・販売する株式会社コンプの代表取締役。完全食ってなんだか非人間的な響きがするけど、実際どのような世界を目指しているんだろう?将来的に完全食だけで生活するような人も増えるのかな?−−という疑問を胸に、鈴木さんにお話を聞いてきました。

※今回インタビューさせていただいた鈴木雄太様には5月13日(日)開催の「第15回 東大卒業生語る会 食企画」へお越しいただきます!(食企画の詳細・お申し込みはこちら

 

鈴木雄太様

Profile

鈴木優太(すずきゆうた)

2007年東京理科大学卒業後、東京大学大学院にて学び、2012年博士号(薬学)取得。株式会社ケミクレアにて働きながら独自に完全食の研究を始め、2015年に株式会社コンプを設立、完全食COMPの開発・販売を行う。誰もが自然に健康になれる世界を目指して現在も奮闘中。

 

「良い食事=おいしいもの」は本当か?

 

–コンプは完全食を作っているメーカーだと聞きました。

私の会社では、極論を言うとそれを食べていれば人が生活することができるという完全食を、手軽に摂れる形にしたCOMPという商品を開発し、販売しています。エンジニアさんとかクリエイターさんとか研究者の中には、食事よりも何かプライオリティ(優先度)の高いやりたいことがあって、そこに夢中になりたいのに、食事しないといけない、健康にならないといけないという悩みを持っている人たちがいる。COMPはそんな悩みを解決する商品です。

 

私、この完全食という言葉を聞いた時に、これは私たちの食に対する認識を改めて問う存在ではないかと感じたんです。栄養摂取という機能に極限まで振り切ったものが出現したことによって、逆に今の食事のあり方を改めて問われる、私たちは今までこういうセグメントにいたんだって初めて気づくというか。

そういう考えは僕の中にもともとありますよ。COMP出した瞬間に、みんながすごくバッシングするんですよ。こんな食生活はいやだ、こんなディストピアな世界望んでないとか。その一方で、すっごくいいねって言ってくれる人もいる。不思議ですよね。

 

みんなそれぞれ食に求めているものが違うということが、COMPの登場で浮き彫りになったということでしょうか?

というより、多様性が浮き彫りになったということですね。みんな「おいしいものが良いに決まってる」って思っていたけど、別にそれより重要なものって他にもあるよねって。

 

今の食品関連の大企業は、おいしさを求めている企業ばかりで、世の中もおいしいものを食べようよってマインドになっているけど、本当にそれって世の中の常識なのか、みんながみんな本当にそう思っているのか、将来的にもそうあり続けるのかって時に、さあどうなんでしょうかと。それが問われるのかな。

 

今は本当の意味でヘルスケアが望まれていると感じます。人々の健康に対する意識が変わってきている。健康維持は栄養、休養、運動から成り立っているんですが、3つの中でも栄養の占める割合が最も大きい。人々はこれまでは健康についてちょっとは意識していたけど、他人事でした。それが近年の生活習慣病の増加や、SNSの発達により自分で情報を集められるようになったことで、変わってきた。健康に対する意識が高まってきたんですよね。

では、今後大手企業もヘルスケアに重点を置く方向に向かっていくのでしょうか?

大手企業の持つブランド力の基底はおいしさにあります。一方で、栄養って入れれば入れるほどおいしさを棄損しちゃうんですよ。そこが結構根深いのかなと思う。健康的な食品が欲しいという顧客のニーズに応じて、食品に様々な栄養素を添加していくと、美味しさは棄損されていく。美味しくなくなった商品から顧客が離れていってしまうのが怖い大手企業は、真に健康的な食品の開発に踏み切れないんじゃないかと思います。

ということは、守るべきブランドのある大手企業は栄養を追求しづらい状況にある。「おいしさありき」で、それを損なわないように栄養を添加する他ないから、ということですね。

それに対して、私の会社コンプは「栄養ありき」で栄養を棄損しないように美味しさを追求していく。栄養食品は美味しいとまではいかなくても、食べられるレベルになった時点で人は買うようになります。このタイミングで大手を超える。逆転がおこるんです。

EC_gummy_open_B0853_0214_02

———–

完全食COMPが生まれたのは、ゲームと研究が大好きだったから!?

 

鈴木さんの肩書きには「代表取締役」と「開発者」という2つが並んでいますが、経営も開発もやっていらっしゃるということでしょうか?

最近は代表取締役としての経営がメインですね。製品開発は専門の開発者にほぼ任せていて、僕が関わるのは1割程度です。

最初の頃は開発も主に自分でやっていましたけど。家で開発してたんですよ。ブルーシート敷いて、大きな棚を作ってラボにして。

自宅で開発ってすごいですね……! そこが完全食COMPの原点になったと思うのですが、そこに至るまでの経緯が気になります。

もともと東京理科大学でずっと化学をやっていて、修士のときに東大大学院の薬学系研究科に入りました。27歳の時に博士号を取ってその研究室を出てから、医薬化学系メーカーに研究職として入りました。そこでは三年間、工業化のプロセス研究といって、主に設計の完成した医薬品をいかに工場で作るかの研究をしていました。

ここで起業の話が出てくるんですが、もともと好きだったことに没頭したいなって思ったときに、COMPみたいなものが自分にとって必要だったんですよ。当時の世の中に、栄養が優れていてそれだけ食べていればよいっていうものが無かったので、じゃあ自分で作っちゃおうと。試作の粉末だけで三か月間くらい生活したこともありました。

完全食を作り始めてしまうほどに熱中していたことについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

熱中していたことは2つあるんです。まず1つ目は、仕事としての石油化学。石油から薬とか機能性材料を精密化学合成で作っていくものです。

2つ目は僕、趣味もあって、ゲーム大好きなんですよ。家に帰ると必ずゲーム機立ち上げて。好きが高じるあまり、自分でゲームプログラミングとか作曲とかして。そりゃ食べてる時間ないですよねって感じ。

趣味のゲームと研究とに没頭したいとなった時、完全食の開発をしようというのは当然の成り行きとして出てきた。

でもその2つにプラス完全食まで開発し始めちゃったら、なんというか、どうするんですか?(笑)

そこなんですよ。そこが超重要な切り口ですね。最初、僕は手段として完全食を開発し始めたんですよ。ただですね、気が付いたら完全食の開発が一番面白くなっちゃった。まず、完全食という概念があるんだってことに驚いて、しかもそれを自分が作ったっていうことにさらに驚きました。カロリーメイトを明らかに超えているやつを作りましたと。

ゲームと石油化学を超えるほど面白かったという完全食の研究の魅力はどこにあったのでしょうか?

まずそもそも日本でそれをやっているのが僕しかいない、パイオニアになっているっていう事実。これは主観的な事実だけど。あとは、完全食を自分で作って試して良いって思って、これを突き詰めていった先に、やっぱり完全食っていう切り口はそもそも果てしないレベルで世の中にインパクトを与えるのではないか、ってなんか武者震いみたいなものがあって。楽しくなっちゃったんですよね。「極めてえ」と。

鈴木様(食) インタビュー

完全食を作り始めたのは具体的にどのタイミングでしたか?

開発し始めたのは会社に入って2年目ぐらいのときです。でもその前から完全食を本質的に目指していましたね、僕は。

実際僕、カロリーメイトばかり食べていてぶっ倒れたんです。倒れたのもその一回だけじゃなくて。他のもいろいろ試したんですよ、干物ばかり食べたりだとか、五穀米ばかり食べたりだとか。基本まあ〇〇だけ食うみたいな感じなんですけど。で、いよいよ苦しくなってきたみたいなのが、完全食に至るまでの僕の30年間の人生の軌跡だったなと思います。

最初に作った完全食は完成までどれくらいの期間がかかりましたか?

プロトタイプを作るまでは1か月くらいですね。だけどくそまずかった。何回か反芻したやつをまた飲まされているみたいな。あと栄養も結構微妙で、やっぱり頭が痛くなったりとか、腹下しちゃったりとか、いろいろあったんですよね。そういうのを全部改善して、ある程度のレベルをクリアしたって思ったのが、その4,5か月後くらいですかね。

今完全食は、ご自身の食生活の中でどれくらの割合を占めているのでしょうか?

なんとなくで計算したらカロリーベースで半分くらいかな。僕、1日3食とかいう概念は持っていなくて、腹減ったら食うっていう。今僕が信じている栄養学に、食事はある程度

分ければ分けるほど良いっていうのがあるので。血糖値を乱高下させず一定に保つことで健康はより増進される、と。

——–

鈴木さんとコンプが目指す食の未来

 

今回の食企画では、食に関するお仕事の魅力を発見する、というのもテーマの1つなのですが、食に携わること自体の面白さはどこにあるとお考えでしょう?

イノベーションが起こっていない状態で、でもほんとはあるような気がするっていうワクワク感ですね。もっと言うと、ベンチャーがすごい勝てそうな感じ。

今実際に食分野のベンチャーってどうなんですか?

ほとんどないですよ。数えるほどしかない。特に日本のfoodtech系会社の大体は、ロジスティクス(流通)を改善するという関わり方が多い。ほんとに僕たちみたいに、メーカーとしてものを作って販売しているっていうのはないですね。

コンプでは今年2月、ドリンクタイプの完全食『COMP DRINK』の予約販売が始まりました。粉末タイプからグミタイプを経て、新商品はドリンクタイプ。今後コンプが目指す世界観を教えてください。

ドリンクという形は、手軽に栄養をとれるというひとつの完成形であると思います。手軽に食べられるものは、栄養バランスが崩れたものが多いんですが、そこを克服しました。 

今の世の中で、完全食の浸透具合は自分の目標の0.01%。僕、世の中の食事が全部完全食になればいいのにって思ってるんですよ。もちろん、現在のドリンクタイプだけではなく、普通の食事のようなタイプも出ていることが前提ですけどね。

 

理想は栄養について何も考えずに食べていても健康になれる状態です。目的は健康で、栄養は手段です。サイエンス的側面から栄養を理解し、それを選択したい人が選択できる世界にしたい。

例えばiPhoneの無い時代、通信できるのは無線通信に関する知識のある人だけだったでしょ? 今は専門的知識が無くても、だれでも通信できる。それを食でもやりたいと思っています。誰もが健康になれる世界。あらゆる食シーンに栄養が付与される世界。

最後になりますが、学生へのメッセージをお願いします!

学生のみんなが思っているほど斜陽じゃないですよ、食業界は。斜陽じゃないことをしたいんだったらぜひコンプへ。

あと、今後の食の重要な論点のひとつに栄養があると思っているんですよ。栄養がみんなに間違いなく提供される状態、つまりみんなが栄養に関して考える必要がなくなる状態を実現することは、多くの人が不可能だと思っているんですが、実は不可能じゃない。難しいだけ。

結構スタートアップ系の本とか、起業家マインドの本とかで書いてあるんですけど、「誰もが常識だと思っているけれど、自分は非常識だと思っていることを探せ」とか、「みんなが不可能だと思っているけれど、自分はそれをただ難しいだけなんだと思えることを探せ」とかありますよね。栄養の分野って、結構それなんじゃないかなっていうのが僕の考えなんです。

 

01-3

ありがとうございました!

終始なごやかに、時折言葉足らずな筆者の質問をエスパーしてくださいながらお話しいただきました。頂いたグミタイプの完全食『COMP GUMMY』やドリンクタイプの『COMP DRINK』は予想を裏切るおいしさで、 鈴木さんとコンプの目指す将来像も含めて完全食へのイメージがガラッと変わったインタビューでした。

今回お話を伺った鈴木優太さんは、5/13(日)の第15回東大卒業生と語る会・食企画に参加されます!

鈴木さんに直接お話を聞いてみたい方はぜひお越しください!

 

□企画概要

【日時】2018年5月13日(日)14時〜17時

【場所】東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE WEST

※参加無料・服装自由・途中入退場自由 

詳細・お申し込みはこちら

同じく本企画にお越し下さる、新しい食育などに携わっていらっしゃる福本理恵さまにもインタビューさせていただきました!
こちらからどうぞ

 

 

【第15回 東大卒業生と語る会】 スポーツ企画

【第15回 東大卒業生と語る会】 【スポーツ企画】

■日時:2018年5月13日(日)  14:00~16時45分(予定)(13時30分より受付)

■会場:東京大学駒場キャンパス 21 KOMCEE West
■注意事項
※参加費無料・服装自由・途中入退場自由・学内向け
■参加方法
こちらから事前の申し込みをお願いいたします。

本企画の開催に際し、お越しいただく利重様からメッセージをいただきました。

「スポーツを仕事にするということ」

「私は今、アブダビ政府と中国政府がオーナーで、英国マンチェスターを本拠地とし、カタルーニャ人が経営を司り、多国籍なメンバーが集う「シティ・フットボール・グループ」(サッカーを核とした複合事業体)の日本代表を務めています。世界のスポーツ業界全体を見渡しても極めてユニークかつ先鋭的なチャレンジに、その内側から参画しているイメージです。

大学時代、サッカーをプレーすることに明け暮れていた自分も、まさかスポーツでキャリアを構築していくとは当時想像だにしていませんでした。

しかし今ではスポーツが持つ人々を集わせ、動かす力に魅せられ日々仕事をしています。

スポーツ、取り分けサッカーの持つ国際性、地域性、普遍性、そして感動を巻き起こす力は、世代を超え、性別を超え、国境を越え、人種を超え、あらゆる人々を繋げていくことで、街づくり、国づくりを行う大きな原動力となり得ます。

大学卒業後直ぐにスポーツ業界に入る必要はありません。むしろ、何でもよい。自分の中に一つの軸を確立し、幅広いネットワークを構築した上で、企業家、官僚、政治家、それぞれの立場でスポーツの持つ潜在的な力を思う存分使い倒し、社会への貢献、次世代への継承といった役割を果たす東大生が一人でも多く輩出されることを願ってやみません。

利重 孝夫
教養学部 昭和63年卒」

 

 

〜企画紹介〜
将来自分がスポーツと関わることを思い描いたことがありますか?

「将来いつかスポーツに関わりたい」、そういう思いを持っていても就職口が見当たらないなど障壁があるのが現状です。

本企画では現在スポーツに関わっていらっしゃる卒業生の方をお呼びして、どういうキャリアパスでスポーツ業界に辿り着いたのかを学びます。

<卒業生情報>
野上宏志(JFAマーケティング部)

2000年大学院教育学研究科身体教育学コース修了後、2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会事務局に入局し、大会運営に携わる。2002年より公益財団法人日本サッカー協会に入局。数々の国際大会の運営や日本代表のマーケティング業務に従事し、スポンサーシップやテレビ放送権のマネジメントを担当。英国バース大学経営学修士

利重孝夫
東大在学中はア式蹴球部に在籍。1988年教養学部卒。同年日本興業銀行(現:みずほフィナンシャルグループ)入行。米国コロンビア大学に留学し1994年同大学経営大学院修士号(MBA)修得。その後2001年に楽天に入社。東京ヴェルディ胸スポンサー、ヴィッセル神戸オーナー変更案件をリード、FC Barcelonaとのパートナーシップ契約を纏め上げ、FCバルセロナオフィシャル楽天カードの発行を実現。2014年にはManchester Cityを中心としたCity Football Groupの日本法人代表に就任。横浜マリノス(株)取締役、『footballista』を発行する(株)ソル・メディア代表、2020年にリーグ入りを目指すTokyo United FC理事、東大ア式蹴球部総監督なども務める。

他にもスポーツに携わっていらっしゃる卒業生の方がいらっしゃいます。

 

<タイムライン>
13:30~14:00 学生受付

14:00-14:15  オープニング

14:15-15:15  グループディスカッション
卒業生のキャリアとそれに至った動機、また現在のお仕事についてお伺いします。

15:25-15:50  パネルディスカッション
仕事を通して思い描く、日本スポーツ界の未来について卒業生の間でお話ししていただき、学生の質問等を受け付けます。

16:00-17:00  グループワーク
卒業生からアドバイスをいただきながら、日本のスポーツ界の問題や2020東京オリンピック前後の日本スポーツ界の歩みを学生で議論していきます。

17:00-   クロージング

 

※タイムライン・コンテンツは変更の可能性がございます。
予めご了承ください。

この他にも、同日5月13日(日)には食企画を開催いたします。
詳しくはこちら(企画ご参加はどちらか一つとなります。)

語る会とは?

【第15回 東大卒業生と語る会】 食企画

【第15回 東大卒業生と語る会】 【食企画】

■日時:2018年5月13日(日)  14:00~17時(予定)(13時30分より受付)

■会場:東京大学駒場キャンパス 21 KOMCEE West
■注意事項
※参加費無料・服装自由・途中入退場自由・学内向け
■参加方法
こちらから事前の申し込みをお願いいたします。

〜企画紹介〜

生きていくために欠かせないものである食。

食はからだのエネルギーのもとになるだけでなく、会話を生み出したり伝統を伝えたり、さまざまな機能を持っています。さらに近年、将来の食のあり方を大きく変えうる技術がいくつも登場してきています。

本企画ではそのような流れの中で、食の持つ多様な力に注目し、現在そして将来わたしたちがどのように食に向き合うのかを考えます。

<卒業生情報>
風間正利
2011年 大学院新領域創成科学研究科修了。株式会社おせっ甲斐、代表取締役。「山梨でなにかやりたい!」という想いが強くなり、大学院修了後山梨に戻り、甲斐の国・山梨を良くするまちづくり会社「おせっ甲斐」を設立。現在は海外事業の共同代表として、ニュージーランドと日本を往復しながら、半球をまたいだ二拠点事業の仕組みを構築中。一方、仕事の傍ら、2011年7月に早朝勉強会「得々三文会」を甲府で開始。会は毎週休むことなく270回を突破し、のべ7,000人が参加。地域の中で熱い想いを持った人の話を聞くことに夢中。

 

福本理恵
1981年生まれ。東京大学先端科学技術研究センターの交流研究員を経て、東京 大学大学院博士課程に進学。心のメカニズムを探るべく認知能力(モノの捉え方) についての研究をするも、自身の体調を崩したことがをきっかけに、日々の食の重 要性を再確認する。「豊かな心は、楽しい食卓から」をモットーに、「種から育て る子ども料理教室」のカリキュラム作成および運営に携わる。2014年からは東京大 学先端科学技術研究センターにて、農と食から教科を学ぶ「Life Seed Labo」を企 画、2014年秋にスタートする「異才発掘プロジェクト:ROCKET」のプロジェクト リーダーとしてカリキュラム開発に携わる。

種から育てる子ども料理教室:http://kodomoseed.blogspot.jp/
Life Seed Labo:http://doit-japan.org/lifeseedlabo/
異才発掘プロジェクトROCKET:https://rocket.tokyo/

鈴木優太 
2007年東京理科大学卒業後、東京大学大学院にて学び、2012年博士号(薬学)取得。株式会社ケミクレアを経て、2015年に株式会社コンプを設立し、完全食の開発・販売を行う。誰もが自然に健康になれる世界を目指して現在も奮闘中。

<タイムライン>
13:30-14:00 学生受付

14:00-14:05 オープニング

14:05-15:15 パネルディスカッション
卒業生の自己紹介に加え、食分野の課題・食の持つ機能についてお話しいただきます。

15:25-16:55 グループディスカッション
自分自身の食生活を振り返りながら、今後重要になるであろう食の機能は何かを卒業生と一緒に考えます。

16:55-17:00 クロージング

※タイムライン・コンテンツは変更の可能性がございます。
予めご了承ください。

この他にも、同日5月13日(日)にはスポーツ企画を開催いたします。
詳しくはこちら(企画ご参加はどちらか一つとなります。)

語る会とは?