【東大卒業生 インタビュー】 「目指すのは、誰でも健康になれる世界」完全食COMPの生みの親・鈴木優太さんが語る食の未来  ←第15回語る会 食企画へご参加いただきます!!


「完全食」というたべもの、ご存知でしょうか。

ヒトの健康に欠かせない栄養素を理想的に含んだ食品、それが完全食です。

第15回東大卒業生と語る会・食企画にお越しになる卒業生の1人、鈴木優太さんは、そんな完全食の中でもグミタイプやドリンクタイプなど、手軽さに特化した商品を開発・販売する株式会社コンプの代表取締役。完全食ってなんだか非人間的な響きがするけど、実際どのような世界を目指しているんだろう?将来的に完全食だけで生活するような人も増えるのかな?−−という疑問を胸に、鈴木さんにお話を聞いてきました。

※今回インタビューさせていただいた鈴木雄太様には5月13日(日)開催の「第15回 東大卒業生語る会 食企画」へお越しいただきます!(食企画の詳細・お申し込みはこちら

 

鈴木雄太様

Profile

鈴木優太(すずきゆうた)

2007年東京理科大学卒業後、東京大学大学院にて学び、2012年博士号(薬学)取得。株式会社ケミクレアにて働きながら独自に完全食の研究を始め、2015年に株式会社コンプを設立、完全食COMPの開発・販売を行う。誰もが自然に健康になれる世界を目指して現在も奮闘中。

 

「良い食事=おいしいもの」は本当か?

 

–コンプは完全食を作っているメーカーだと聞きました。

私の会社では、極論を言うとそれを食べていれば人が生活することができるという完全食を、手軽に摂れる形にしたCOMPという商品を開発し、販売しています。エンジニアさんとかクリエイターさんとか研究者の中には、食事よりも何かプライオリティ(優先度)の高いやりたいことがあって、そこに夢中になりたいのに、食事しないといけない、健康にならないといけないという悩みを持っている人たちがいる。COMPはそんな悩みを解決する商品です。

 

私、この完全食という言葉を聞いた時に、これは私たちの食に対する認識を改めて問う存在ではないかと感じたんです。栄養摂取という機能に極限まで振り切ったものが出現したことによって、逆に今の食事のあり方を改めて問われる、私たちは今までこういうセグメントにいたんだって初めて気づくというか。

そういう考えは僕の中にもともとありますよ。COMP出した瞬間に、みんながすごくバッシングするんですよ。こんな食生活はいやだ、こんなディストピアな世界望んでないとか。その一方で、すっごくいいねって言ってくれる人もいる。不思議ですよね。

 

みんなそれぞれ食に求めているものが違うということが、COMPの登場で浮き彫りになったということでしょうか?

というより、多様性が浮き彫りになったということですね。みんな「おいしいものが良いに決まってる」って思っていたけど、別にそれより重要なものって他にもあるよねって。

 

今の食品関連の大企業は、おいしさを求めている企業ばかりで、世の中もおいしいものを食べようよってマインドになっているけど、本当にそれって世の中の常識なのか、みんながみんな本当にそう思っているのか、将来的にもそうあり続けるのかって時に、さあどうなんでしょうかと。それが問われるのかな。

 

今は本当の意味でヘルスケアが望まれていると感じます。人々の健康に対する意識が変わってきている。健康維持は栄養、休養、運動から成り立っているんですが、3つの中でも栄養の占める割合が最も大きい。人々はこれまでは健康についてちょっとは意識していたけど、他人事でした。それが近年の生活習慣病の増加や、SNSの発達により自分で情報を集められるようになったことで、変わってきた。健康に対する意識が高まってきたんですよね。

では、今後大手企業もヘルスケアに重点を置く方向に向かっていくのでしょうか?

大手企業の持つブランド力の基底はおいしさにあります。一方で、栄養って入れれば入れるほどおいしさを棄損しちゃうんですよ。そこが結構根深いのかなと思う。健康的な食品が欲しいという顧客のニーズに応じて、食品に様々な栄養素を添加していくと、美味しさは棄損されていく。美味しくなくなった商品から顧客が離れていってしまうのが怖い大手企業は、真に健康的な食品の開発に踏み切れないんじゃないかと思います。

ということは、守るべきブランドのある大手企業は栄養を追求しづらい状況にある。「おいしさありき」で、それを損なわないように栄養を添加する他ないから、ということですね。

それに対して、私の会社コンプは「栄養ありき」で栄養を棄損しないように美味しさを追求していく。栄養食品は美味しいとまではいかなくても、食べられるレベルになった時点で人は買うようになります。このタイミングで大手を超える。逆転がおこるんです。

EC_gummy_open_B0853_0214_02

———–

完全食COMPが生まれたのは、ゲームと研究が大好きだったから!?

 

鈴木さんの肩書きには「代表取締役」と「開発者」という2つが並んでいますが、経営も開発もやっていらっしゃるということでしょうか?

最近は代表取締役としての経営がメインですね。製品開発は専門の開発者にほぼ任せていて、僕が関わるのは1割程度です。

最初の頃は開発も主に自分でやっていましたけど。家で開発してたんですよ。ブルーシート敷いて、大きな棚を作ってラボにして。

自宅で開発ってすごいですね……! そこが完全食COMPの原点になったと思うのですが、そこに至るまでの経緯が気になります。

もともと東京理科大学でずっと化学をやっていて、修士のときに東大大学院の薬学系研究科に入りました。27歳の時に博士号を取ってその研究室を出てから、医薬化学系メーカーに研究職として入りました。そこでは三年間、工業化のプロセス研究といって、主に設計の完成した医薬品をいかに工場で作るかの研究をしていました。

ここで起業の話が出てくるんですが、もともと好きだったことに没頭したいなって思ったときに、COMPみたいなものが自分にとって必要だったんですよ。当時の世の中に、栄養が優れていてそれだけ食べていればよいっていうものが無かったので、じゃあ自分で作っちゃおうと。試作の粉末だけで三か月間くらい生活したこともありました。

完全食を作り始めてしまうほどに熱中していたことについて、もう少し詳しく教えていただけますか?

熱中していたことは2つあるんです。まず1つ目は、仕事としての石油化学。石油から薬とか機能性材料を精密化学合成で作っていくものです。

2つ目は僕、趣味もあって、ゲーム大好きなんですよ。家に帰ると必ずゲーム機立ち上げて。好きが高じるあまり、自分でゲームプログラミングとか作曲とかして。そりゃ食べてる時間ないですよねって感じ。

趣味のゲームと研究とに没頭したいとなった時、完全食の開発をしようというのは当然の成り行きとして出てきた。

でもその2つにプラス完全食まで開発し始めちゃったら、なんというか、どうするんですか?(笑)

そこなんですよ。そこが超重要な切り口ですね。最初、僕は手段として完全食を開発し始めたんですよ。ただですね、気が付いたら完全食の開発が一番面白くなっちゃった。まず、完全食という概念があるんだってことに驚いて、しかもそれを自分が作ったっていうことにさらに驚きました。カロリーメイトを明らかに超えているやつを作りましたと。

ゲームと石油化学を超えるほど面白かったという完全食の研究の魅力はどこにあったのでしょうか?

まずそもそも日本でそれをやっているのが僕しかいない、パイオニアになっているっていう事実。これは主観的な事実だけど。あとは、完全食を自分で作って試して良いって思って、これを突き詰めていった先に、やっぱり完全食っていう切り口はそもそも果てしないレベルで世の中にインパクトを与えるのではないか、ってなんか武者震いみたいなものがあって。楽しくなっちゃったんですよね。「極めてえ」と。

鈴木様(食) インタビュー

完全食を作り始めたのは具体的にどのタイミングでしたか?

開発し始めたのは会社に入って2年目ぐらいのときです。でもその前から完全食を本質的に目指していましたね、僕は。

実際僕、カロリーメイトばかり食べていてぶっ倒れたんです。倒れたのもその一回だけじゃなくて。他のもいろいろ試したんですよ、干物ばかり食べたりだとか、五穀米ばかり食べたりだとか。基本まあ〇〇だけ食うみたいな感じなんですけど。で、いよいよ苦しくなってきたみたいなのが、完全食に至るまでの僕の30年間の人生の軌跡だったなと思います。

最初に作った完全食は完成までどれくらいの期間がかかりましたか?

プロトタイプを作るまでは1か月くらいですね。だけどくそまずかった。何回か反芻したやつをまた飲まされているみたいな。あと栄養も結構微妙で、やっぱり頭が痛くなったりとか、腹下しちゃったりとか、いろいろあったんですよね。そういうのを全部改善して、ある程度のレベルをクリアしたって思ったのが、その4,5か月後くらいですかね。

今完全食は、ご自身の食生活の中でどれくらの割合を占めているのでしょうか?

なんとなくで計算したらカロリーベースで半分くらいかな。僕、1日3食とかいう概念は持っていなくて、腹減ったら食うっていう。今僕が信じている栄養学に、食事はある程度

分ければ分けるほど良いっていうのがあるので。血糖値を乱高下させず一定に保つことで健康はより増進される、と。

——–

鈴木さんとコンプが目指す食の未来

 

今回の食企画では、食に関するお仕事の魅力を発見する、というのもテーマの1つなのですが、食に携わること自体の面白さはどこにあるとお考えでしょう?

イノベーションが起こっていない状態で、でもほんとはあるような気がするっていうワクワク感ですね。もっと言うと、ベンチャーがすごい勝てそうな感じ。

今実際に食分野のベンチャーってどうなんですか?

ほとんどないですよ。数えるほどしかない。特に日本のfoodtech系会社の大体は、ロジスティクス(流通)を改善するという関わり方が多い。ほんとに僕たちみたいに、メーカーとしてものを作って販売しているっていうのはないですね。

コンプでは今年2月、ドリンクタイプの完全食『COMP DRINK』の予約販売が始まりました。粉末タイプからグミタイプを経て、新商品はドリンクタイプ。今後コンプが目指す世界観を教えてください。

ドリンクという形は、手軽に栄養をとれるというひとつの完成形であると思います。手軽に食べられるものは、栄養バランスが崩れたものが多いんですが、そこを克服しました。 

今の世の中で、完全食の浸透具合は自分の目標の0.01%。僕、世の中の食事が全部完全食になればいいのにって思ってるんですよ。もちろん、現在のドリンクタイプだけではなく、普通の食事のようなタイプも出ていることが前提ですけどね。

 

理想は栄養について何も考えずに食べていても健康になれる状態です。目的は健康で、栄養は手段です。サイエンス的側面から栄養を理解し、それを選択したい人が選択できる世界にしたい。

例えばiPhoneの無い時代、通信できるのは無線通信に関する知識のある人だけだったでしょ? 今は専門的知識が無くても、だれでも通信できる。それを食でもやりたいと思っています。誰もが健康になれる世界。あらゆる食シーンに栄養が付与される世界。

最後になりますが、学生へのメッセージをお願いします!

学生のみんなが思っているほど斜陽じゃないですよ、食業界は。斜陽じゃないことをしたいんだったらぜひコンプへ。

あと、今後の食の重要な論点のひとつに栄養があると思っているんですよ。栄養がみんなに間違いなく提供される状態、つまりみんなが栄養に関して考える必要がなくなる状態を実現することは、多くの人が不可能だと思っているんですが、実は不可能じゃない。難しいだけ。

結構スタートアップ系の本とか、起業家マインドの本とかで書いてあるんですけど、「誰もが常識だと思っているけれど、自分は非常識だと思っていることを探せ」とか、「みんなが不可能だと思っているけれど、自分はそれをただ難しいだけなんだと思えることを探せ」とかありますよね。栄養の分野って、結構それなんじゃないかなっていうのが僕の考えなんです。

 

01-3

ありがとうございました!

終始なごやかに、時折言葉足らずな筆者の質問をエスパーしてくださいながらお話しいただきました。頂いたグミタイプの完全食『COMP GUMMY』やドリンクタイプの『COMP DRINK』は予想を裏切るおいしさで、 鈴木さんとコンプの目指す将来像も含めて完全食へのイメージがガラッと変わったインタビューでした。

今回お話を伺った鈴木優太さんは、5/13(日)の第15回東大卒業生と語る会・食企画に参加されます!

鈴木さんに直接お話を聞いてみたい方はぜひお越しください!

 

□企画概要

【日時】2018年5月13日(日)14時〜17時

【場所】東京大学駒場キャンパス 21KOMCEE WEST

※参加無料・服装自由・途中入退場自由 

詳細・お申し込みはこちら

同じく本企画にお越し下さる、新しい食育などに携わっていらっしゃる福本理恵さまにもインタビューさせていただきました!
こちらからどうぞ